不愉快な連鎖

昨日の夕方、不当に時給を値切られたバイト学生のことが特集で取り上げられていました。
なんでも、勤務先店舗の売り上げがノルマを達成しないと、勤務時間そのものを差っ引いてタイムカードを打たせるんだそうで、それでも一応固定給はもらえるサービス残業組から見たら身の毛もよだつような奴隷労働が、いつの間にやら横行していたのですね。

特集の中では不払いになったバイト代を弁護士(?)がサポートして支払わせることに成功したようですが、こんなもの氷山の一角の中でも極め付きに幸運で特異な例にすぎないし、国営放送が取り上げたからって全体の状況が好転するとも考えられません。むしろ今までそこまでは考え付かなかった雇用側が、積極的にこのシステムを採用しやしないか不安でなりません。

もちろんそれだけじゃないとは思うのだけど、バブル崩壊後に「良いものをより安く」を「何でも安ければ良い」に転化する風潮が蔓延した事に原因があるでしょう。いろいろの偽装問題然り、産業空洞化も然り。
今回支払われた(であろう)不払い分の賃金もどう使うかを考えたら、またぞろ一円でも安い買い物をしようとするのは間違いないでしょう。安月給でわざわざ高い買い物する馬鹿はいないですから。でもその安値は「企業努力」の美名の下に値切られた仕入れ価格あるいは不払い賃金の賜物なわけで、まったく泣ける話とはこのことですね。投資だなんて言い訳しつつ人間の行動をギャンブルの対象にする、しかもその上がりを国内にビタ一文還元しない連中よりはずっとマシですが。
それが資本主義だと言ってしまえばそれまでなんだけど、どうも今の状況は天に唾を吐きながら手当たり次第の相手と互いに首を絞め合っているような構図に見えて仕方がありません。

人手不足も手伝ってか労基署もこんな事で動く気はなさそうに見えるし、いっそ源泉徴収については所得税の脱税容疑で税務署に丸投げした方がよっぽど効果があるんじゃないでしょうか。>賃金不払い



ああ、そんなことしたら税収増えて消費税上げられなくなるから駄目でしたね。 :-p

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