大人の玩具

「廉価版」の見本みたいなAF Zoom Nikkor 28-80mm f/3.3-5.6G
「あの」ニッコールが低価格帯にまともに手を出したのはシリーズE以来久しぶりのことらしく、値段ゆえにやたらバッシングされ易いのもシリーズE譲り?

たしかに他社廉価版と比べても造りはチャチだし動作も気のせいかぎこちないし、旧来のニッコールを知る人には落胆を誘う代物のような気はします。またこれをもってニッコールを語られたくないってのもよくわかる。レンズ自体も含めて全身から放たれる「プラスチック製」のオーラが大好きだって人がいたら、変態扱いされても文句は言えないでせう。
それにGタイプで絞り輪がないだけでなく、ピントリングの距離指標すら省かれてしまっては、原理主義者が納得いかないのも無理はない。私も当初あまりの安さに愕然としつつ手を出したんですが、本体とバランス取り辛いんですぐ里子に出してしまいました。 :hammer:
でもニッコール銘で出ちゃったのがこのレンズ最大の悲劇で、どこか互換メーカから出ていれば超軽量標準ズームとか何とか、もう少しマシな評価をされてたんじゃないのかな。

純正フードは円筒形、広角側に合わせて当然薄っぺらく、効果があるかどうかははなはだ疑問。開き直ったのか別売り扱いになってますが、そのせいもあってか中古やオークションなんかでフードがついた個体にお目にかかるのは本当に稀。望遠側では間違いなく役に立たないしこの種のレンズを使う層はフードの何たるかをまず知らないはずなんで、それで良いんでしょう。知ってる人なら別の手を考えるだろうし。

ぎこちないズーミング動作の中で感心したのはレンズの伸縮が50mmを境に放物線を描き、縮みきったところ(つまり50mm)に抵抗があることで、一般的にこの辺をよく使うであろうことを想起すれば結構ありがたい「機能」だったりします。
見てくれ以上に質量が軽いのも馬鹿にしたものではなく、uやD50あたりの小型機と組み合わせたら軽量お散歩カメラの出来上がり。そう思って調べたらこの組み合わせ5万切るどころか3万円台まで下がってきてるんですね。商品の代替わりが進んだせいでしょうが技術の進歩とは恐ろしい。
もっとも、機能面(特にその種の廉価なカメラを求める層が気にするであろう部分の)ではコンパクトデジカメの方がずっと上回ってるわけで、敢えてオタク臭いSLRなんか使うことないじゃんって言われりゃそれまでのことではありますね。

SLRとは漬物石みたいに重たくて面倒な儀式が必要なマニアのおもちゃ、そんな先入観を払拭する貸出機には悪くないと思うのですが、今となっては発売中止になってしまいました。あんまり悪評ばっかり立つから嫌になったのかな。

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