汽車と野良猫と阿房

月刊IKKIで「阿房列車」の漫画版を連載中。編集長が鉄道マニアとは「鉄子の旅」でも紹介されていましたが、ここまでくると 公私混同 趣味と実益の両立も見事だ。 😮

昭和26年発表の古典を今更掘り起こした事もさることながら、「阿房列車」は言わば鉄道マニアの般若心経・旧約聖書とも言うべき名作、それを漫画に起こそうという蛮勇(と敢えて言おう)にはただただ呆れるばかり。

作家の選択が当たったのか今のところ原作の空気をうまく引き出しているようですが、この先が大変気にかかるところ。で、あまりに気になるので「鉄子」でさえ本誌は立ち読みで済ませるばかりか専門誌だって余程の企画がなきゃレジまで行かないのを今月も引き続き買ってしまったのですが、ふと気が付いたことが一つ。

百閒って鉄道マニアの一方大の猫好きでも有名なはずなのに、作中に猫が全く出てこない。

もっとも原作にだって猫なんかその気配も出て来ないし、今このことを書くにあたって軽く調べた程度で確認できるのは昭和32年の「ノラや」以降。「第一阿房列車」の頃はまだ居なかったのかもしれないし、あるいは余分を注意深く濾し取って磨き上げられているのが原作の特徴だから、意図的にそうしているのかもしれないし、あるいは、あるいは? 😕

文章にすると何行も何ページも費やさなければならないことを時にたった1コマで表現できてしまうのも「漫画」の強みだと思っていましたが、意外なところに罠が潜んでいるものですね。

# そういやご令室も出て来ないな

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